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管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

節約するならしっかりご飯

節約するならしっかりご飯

 家計の消費支出の中で、住居代(家賃・地代)は変更できませんし、水道光熱費は切り詰めるにも限界があります。節約したい、貯金したいと思ったとき最初に目を向けられるのは「食費」ではないでしょうか。
 しかし、きちんと食べず体調を崩して病院代や薬代など無駄な出費が増えては意味がありません。また食事の量を減らし過ぎておなかがすいてしまい、間食に手を出してしまえば余計な出費がまた増えます。しっかりとバランスを取りつつ、きちんと節約をするならしっかりと「ご飯」を食べることをお勧めします。

 最近は糖質オフ・低炭水化物ダイエットなどでご飯を控え、おかずを多めに食べる人がいますが、おかずばかり食べると食費がかさみます。例えば、100g当たり、鶏もも肉は120円、豚ロース肉は260円くらいですが、ここから加熱して味付けするのに調味料代がかかり付け合わせなども添えます。しかし肉類100gだけでは、おなかは満たされません。それに比べて米1kgが500円の場合、炊いたご飯は1杯(150g)で34円。大盛り(200g)でもたったの45円です。米は水を入れて炊くだけなので、これ以外に費用もかかりません。
 コンビニエンスストアに行っても200円強あればおにぎりが2個購入できますが、200円強ではサラダ1個くらいしか買えません。サラダで栄養補給はできますが、おなかいっぱいにはなりません。

 もちろん、肉や魚などのタンパク質、野菜などでビタミン・ミネラルを補給することも大切ですが、大切なのはバランス。ベストな栄養バランスはご飯6:おかず4です。おかずばかり食べるのではなく、しっかりご飯を食べることで栄養バランスも整え、食費も抑えることができるのです。

 

和食に欠かせないお米

和食に欠かせないお米

 「和食」はユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、忙しい日々を過ごしていると、毎日・毎食の食事がおろそかになってしまうこともあるのではないでしょうか。五穀豊穣(ほうじょう)や実りの季節を迎える秋に和食文化の保護・継承の大切さについて考えようと制定されたのが「和食の日」である11月24日(いい日本食の日)。あらためて、和食文化とはどのようなものか考えてみましょう。

 まず初めに、一汁三菜を基本とする食事スタイルです。和食は米飯を主食とし、汁・菜・漬物によって構成されます。味付けはだしのうま味をベースとし、しょうゆやみそ、酢などの伝統的な調味料を用いて作られます。このような形を取ることで、自然と理想的な栄養バランスになるといわれています。
 さらに日本には四季があり、海・山・里と豊かな自然が広がっています。各地で地域に根差した食材を利用する地産地消の文化。また年中行事などを行い、郷土料理が振る舞われます。このような料理で食卓を囲むことで地域や家族が育まれていくのです。

 食べる姿勢も大切で、同じアジア圏でも中国や韓国では箸以外に汁物などをいただくときはスプーンやれんげなどを主に使用しますが、日本は「箸」中心です。さらに自分用の箸や茶わんがありますが、一汁三菜と自分用に盛り付けられた料理をいただく日本独自のもので他国に少ないスタイルともいわれています。

 「単品食べ」「糖質オフ」など偏った食事や、コンビニや外食ばかりといった「バランスの取りにくい食事」など和食の良さを忘れていないでしょうか。いま一度、旬の食材に目を向け、ご飯中心に汁や漬物などバランス良く家族みんなで食べるなど、食べ方にも気を付け「食べ物をいただく」ことに感謝しましょう。

 

みそ汁の栄養

みそ汁の栄養

 ご飯のお供といえば、やはりみそ汁。ご飯やみそ汁を飽きたと感じることはありませんから、日本人に欠かせない料理の一つです。昨今の「減塩思考」から控える人がいるということも耳にしますが、みそ汁の栄養ポイントをご紹介しましょう。

 みそ汁の調味料である、みその原料は「大豆」です。大豆に塩やこうじを入れて発酵させた物がみそになります。大豆はタンパク質の他、ビタミンB群をはじめとしたビタミンやマグネシウム、カリウムをはじめとしたミネラル、食物繊維を豊富に含むことはご存じだとは思いますが、これが発酵されることによりタンパク質がアミノ酸に分解され、消化されやすくうま味も増すなどのメリットがあるのです。

 気になる塩分は、みその種類にもよりますが10~13%くらいで、淡色辛みそで大さじ1杯当たり2・2gです。2人分で300ccのだし汁に対して大さじ1杯のみそを溶かせば、1人分1g強で済みます。
 みそ汁には具材を入れますが、野菜や芋などにはカリウムが含まれます。カリウムには血圧を安定させる作用があり、高血圧予防には欠かせません。また、ワカメなどの海藻にはマグネシウムが含まれ、代謝を促してくれます。カリウムやマグネシウムはゆでると流れ出てしまうため、丸ごと取れるみそ汁は生活習慣病予防に役立つといえるでしょう。塩分が気になる人は具材を多めに。汁の量を減らすことができ、野菜が多く取れるので一石二鳥です。

 みそ汁はご飯と一緒に食べることが多いですが、ご飯に不足しがちな必須アミノ酸のリジンがみそには豊富に含まれています。さらに、ビタミンC、β-カロテンなどのビタミンは米には含まれませんが、みそ汁に旬の野菜をふんだんに使うことで補給できます。ご飯にない栄養素も補給できるみそ汁は、ご飯と最高の組み合わせなのです。

 

お弁当のご飯も安全に!

お弁当のご飯も安全に!

 新年度に入り、新生活でお弁当をスタートさせる方もいらっしゃるのではないでしょうか。春先はまだ涼しいですが梅雨の季節からだんだん気になってくるのが食中毒。お弁当を安全に楽しむために衛生面で気を付けるポイントを三つご紹介します。

(1)ご飯もおかずもよく冷ましてから詰めること
 お弁当を開けると、ふたに水滴が付いていたら、しっかりと冷まし切れていないサインです。水滴はお弁当を詰めるときに温かかったご飯やおかずから出た水蒸気がふたに付いたもの。細菌はこうした水分から繁殖することが多いので気を付けるようにしましょう。対策としてはしっかりと冷ましてからお弁当箱に詰めること。ご飯は一度お皿などに必要分を取り分けて広げておくと早く熱を取ることができます。おにぎりなども同様です。熱々を握ってそのままラップなどに包むと蒸れてしまいますので、きちんと冷ましてから包むようにしましょう。

(2)素手で触れないこと
 おにぎりなど素手で握ることがあると思いますが、手に傷があるときなどは特に食中毒の原因となることもありますので注意しましょう。ラップや衛生手袋などを使って握る方が安全です。周りに塩をまぶすことで抗菌作用も高まります。お弁当箱にご飯を詰めるときは衛生的なしゃもじを使うようにしましょう。

(3)まぜご飯を避ける
 塩分が効いているので、安心かも?と思いがちですが、多くの食材が混ざったピラフやチャーハン、炊き込みご飯などのまぜご飯は傷みやすいので避けましょう。白米や雑穀ご飯など、ご飯そのものがベストです。さらに傷みにくくするために少量の酢を入れて炊くのも良いでしょう。ご飯の上に梅干しかごま塩をふりかけるのも良いですね。

 おかずはいろいろと気に掛けますが、おろそかになりがちなご飯。安全にお弁当箱に詰めて楽しいランチタイムにしましょう。

 

朝ご飯の勧め

朝ご飯の勧め

 一日のスタート。朝食はきちんと食べていますか? 少しでも長く布団の中にいたい気持ちも分かりますが、10分早く起きてしっかりと朝ご飯を食べることをお勧めします。
 「朝ご飯をしっかりと食べている人の方が成績が良い」とはよく聞きますが、サラリーマンに至っては「朝ご飯を食べる人の方が年収が良い」というデータもあります。

 これは、勉強や仕事をするときに活動する「脳」の唯一のエネルギー源がご飯などに含まれる炭水化物が分解されてできるブドウ糖だからと考えられます。朝ご飯をしっかりと食べないとぼーっとした状態で午前の時間を有効に使えていないことになるのです。
 成績や仕事の効率だけでなく、朝ご飯を食べ、そしゃくすることで血行が良くなり肌つやもアップします。女性はお化粧の時間の短縮にもつながり、余計な化粧品代がかからなくて済むかもしれません。体温も上がりやすくなるので、冷えなどの改善にもつながります。

 お勧めの朝食は、やはり「ご飯とみそ汁」。ここに納豆やサケの塩焼き、お漬物などが付いたら言うことありません。最近はスムージーなどもはやっていますが、スムージーはそしゃくできないというデメリットもあります。食べながら顎周りのエクササイズはできないのです。しっかりとかんで顔の血色を良くするには「ご飯」の方が良いでしょう。

 もしも朝食を家で取る時間がない人は「おにぎり」にするのもお勧めです。お母さんは朝から少し作業が増えてしまいますが、成績アップ、年収アップのためにも愛情込めたおにぎりを作ってみてはいかがでしょうか。